こんにちは、そろり庵のこばやしです。 結婚式や七五三、成人式の前撮り写真など。。。 着物の出番が増える季節ですね。 最近は夏着物のお手入れもご相談いただいております。 今年は特に暑かったですしね。 汗抜きなどで困っている方、いつでもご相談ください。 ■付け下げの修復 今回は、付け下げのお直しです。 お母さまの着物を、しみ抜きと洗い張りをして娘さまがお召しになります。 全体を確認したところ、黄変のシミが多くみられたのと色が広範囲にヤケていたため、全部解いて洗い張りを前提とした作業をご提案させていただきました。 ■洗い張りの前に。。。 解いて反物状にした着物を洗う前に、まず全体のしみ抜き。 時間がたって変色したシミは、薬品で少しずつ漂白していきます。 漂白すると、多少なりとも生地の元の色も抜けます。 抜いたままだとしみ抜きとは言えませんので、あとで抜けた色味だけ足していきます。 ■洗い張りの後に。。。 全体のシミの漂白ができたら、洗い張り。 反物を水につけて、手早く洗って行きます。 縫い目や折れ跡など、汚れが目立つところは乾いたあとに有機溶剤で洗います。 水と有機溶剤、ダブルで使うことで、かなり綺麗になります!! また、折れ跡の汚れが目立たないというのは、仕立て屋さんにとっても仕事がしやすいそうです。 前の筋や汚れが付いたままだと、そこをどうやって目立たなく隠して縫うか考えなくてはいけません。 ましてや裄、袖丈、身幅などを出して縫い直す場合は、前の筋がどうしても出てしまいます。 せっかく洗い張りまでしたのに、前の寸法の折れ目や汚れが目立ってしまっては残念だと思うのです。 こちらは袖の丸みの部分。 出来るかぎり、折れ目の筋をきれいにしました。 ■ヤケ直しと色の補正、お仕立てへ ヤケている部分に広範囲で色をかけて直したり、 漂白した部分に色を挿して修正をしたり。。。 その後、仕立てへと進みます。 仕上がりをご確認いただき、お喜びいただけたようで一安心です! S様、ありがとうございました。
わたしも、母の着物を大事にして長くつき合っていきたいと思いました。
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こんにちは、そろり庵のこばやしです。 次の洗い張りに向けての準備をしています。 ■端縫いミシン着物を全部解き、それぞれのパーツを 順番どおりにつなぎ合わせていきます。 このミシンは、つなぎ合わせる専用ミシン。 ロックミシンですが、 なんと1本の糸で縫っています。 こちらのミシン、 わたしたちの業界でよく使われていますが メーカーの生産は とっくの昔に終わっているのです。。。 わたしも中古市場で探し、 何とか手に入れた貴重な相棒です。 道具は大切に、使わなくてはね。
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店主・こばやしそろりそろりと、着物を直しています。日々のあれやこれやを、綴ります。 月別
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