こんにちは、そろり庵のこばやしです。 三寒四温ですね。 春のおとずれが待ち遠しい今日この頃です。 ■付け下げから羽織に仕立替え 今回ご紹介するのは、桜の柄の付け下げ。 お客様のお話をうかがうと・・・ ●地の色は好きだけれど、桜が目立ちすぎて気になる ●桜の柄しか入っていないので、着る時期が限られてしまう ●付け下げとしてではなく、長羽織としてお召しになりたい …とのモヤモヤがあったようです。 そこで考えたミッションは3つ。 ●桜と地色のコントラストを抑えて、桜を目立たなくさせる ビフォアアフター。 マスキングシートを生地の上に貼り、桜の部分だけ切り抜きます。 黄色と青を混ぜた薄いグレーを上からかけ、 桜のところだけ色がかかるようにします。 ●柄をたして、春以外も着れるようにする ビフォアアフター。 一部分桜をつぶし、撫子にかえました。 菊に描きかえた部分もあります。 ●地色のボカシを活かした長羽織にする ビフォアアフター。 1枚目は、付け下げから解いた状態で柄を仮置きしたところ。 まだ色をかけたり、柄を足したりしていません。 2枚目は、洗い張りをしたあとに柄と色を修正したもの。 上前の一番華やかなところを 羽織の後ろ身ごろにもっていけるか、 和裁士さんと相談している段階の画像です。 和裁士さんと強力タッグを組み、 長羽織へと生まれかわりました! 裏地と羽織ヒモのチョイスもおまかせいただき、 とても楽しくお手入れさせていただきました。 M様ありがとうございました。 若いころに、親御さんに作ってもらった着物…
捨てられないけど色柄が派手で着られない。 そんなお悩みも、解決できる方法があります。 私も技術を研いて、色々ご提案できるようにして いきますので、一緒に解決できたら良いですね!
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こんにちは、そろり庵のこばやしです。 お客様から掲載許可をいただいた作業を、 ちょっとご紹介します。 ■小紋の柄の色をかえる お母様があつらえてくださった小紋。 お若いころは、よくお召しになっていたそうです。 時間がたち、ご年齢のことや色の好みもかわって 今は着る機会、といいますか モチベーションが少し下がっているご様子でした。 お話を伺ってみて、全体にある菊柄の、 シャーベットカラーの組み合わせが 一番の原因になっていることがわかりました。 ■好みの色を探す 色調が同じで、明るいのを暗くしてほしい、 地味に見せたいというオーダーは 作業としてはそんなに難しくはないのですが、 今回は色味じたいをガラッと変えることに。 菊の柄は全体で5色の配色から構成されています。 一番面積が大きいのは、菊のまあるい部分。 面積が広い部分は、着る側も着姿を見る側も、 一番目に入りやすいところです。 印象も左右されやすいですよね。 そのため、このまあるい部分には お客様の一番好きな色味をもってくることにしました。 色の本を見ながら、好みの配色を一緒に探していきます。 葉っぱのミントグリーンの部分は、 抹茶に近い色にくすませることに。 ただ、ベタで変えてしまうと のっぺりした印象になってしまうので、 ボカして元のグリーンを残すことを ご提案させていただきました。 ■色の濃淡について 柄の色替えは、染料で染めるのではなく、 細かい粒子の顔料をつかって 上から色を塗っていく方法を用いています。 そのため、 元の色が薄い→濃い色 に変えるのは可能ですが 元の色が濃い→薄い色に変える のはちょっとムズカシイのです。 (厳密に言うと、できなくはないけれど もう一手間かかります… ファンデーションを塗る前に、 コンシーラーやカラーコントロールを塗って 下地を整える手間が増える感じです。) 色の濃度についてもお話し、ご了承いただきました。 下前の一部でテストをし、ご報告。 少しわかりづらいですが、黄色の菊も くすませています。 イメージどおりの色になって、 かといって地味すぎなくて素敵だわ! これで進めてちょうだい!との感想を頂きました。 全体に柄があるので、 ちょっと時間はかかりますが また仕上がったらご紹介させていただきますね。 ■染め替えなくても雰囲気は変えられる 若いころは気に入っていたのだけれど
肌の色と合わなくなった、 色が派手に思えてきた、色の好みが変わった… というお悩みはよく耳にします。 かといって、全部解いて染め替えするには 金額的に抵抗がある方も多いとおもいます。 そんな時は、 部分的に雰囲気を変えることが可能です。 当店で使用している顔料は、 水にもドライクリーニングなどの溶剤にも 強い顔料ですので、落ちてしまう心配もございません。 だからこそ、 作業するときは一発勝負なので緊張しますが。笑 ただし、染めているわけではないので、 上からの摩擦には少し弱いです。 生地によって向き不向きがございます。 まずはご相談ください。 黒留の色替えはこちら |
店主・こばやしそろりそろりと、着物を直しています。日々のあれやこれやを、綴ります。 月別
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