着付けは、石田節子氏が主催する教室に通いました。 当時、石田先生のお弟子さんが 多くのアーティスト達のスタイリングを 担当していたこともあって、 とても憧れがあったのです。 着物雑誌『七緒』も、 毎号かかさずチェックしておりました。 ■着物業界へその後色々ありまして、 スタイリストを目指す気持ちよりも 着物業界で働いてまずは着物の基礎知識から 学ぼうということに。 着物リサイクル店での販売、 振袖に特化した大手呉服屋での営業を 経験しました。 休日は和裁教室に通い着物の構造を学んだり、 八丈島や京都など産地の工房に見学にいったり。 知らないものを知っていくのが とても楽しかったです。 悉皆業、という仕事もこの間に知りました。 今まで学んできたことを 悉皆の仕事で活かせるかしら、と思い始め… ■扇屋との出会いちょうどその時、『七緒』に きもの工房 扇屋が紹介されていました。 あわててHPを見ると、 悉皆だけではなく洗い張り、染色補正など メンテナンスも行う店とのこと。 そしてHPには、 「弟子募集」のページがあるではありませんか! 恐る恐る電話で問い合わせをしてみると、 「今ひとりお弟子さんがいるので、 すぐにはちょっと…」 とのこと。 がっくり肩を落とし、 この先どうしたものかと考えあぐねて 2か月経ちました。 平成21年3月のある日、 見覚えのない番号から電話がかかってきました。 「きもの工房 扇屋の家田です。」と。 も、もしかして…!と胸が早鐘を打ちます。 弟子枠が一人あいたので、 もしまだ興味があれば、一度来てみませんか? とのお話でした。 ここから、わたしの修行生活がスタートします。
師匠 家田貴之氏からの電話に出ていなければ 今の私はいなかったのかもしれません。 人生って不思議なものですね。
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こんにちは、そろり庵のこばやしです。 今日はわたしがなぜ染色補正の仕事に たどり着いたのか、お話ししようと思います。 ■会社員時代大学4年生の就活では、 主にアパレル関係を希望していました。 とっても単純な理由です、 服(この時は着物ではない笑)が大好き! コーディネート大好き! というだけで… ちょうどこの頃は就職氷河期ということもあり また私のリサーチ、努力不足ということもあり、 就職活動は思ったようにうまくいきませんでした。 結局、唯一内定をもらえた大手英会話学校で 営業職に就きます。 はじめての社会人生活は、 何から何まで緊張感がありましたね。 学校に来る生徒さんは、 子供さんから年配の方まで。 雑談ではなく、 自分の置かれている立場や目的を考えながら 話の筋道をつけていくのは難しいことでしたが、 いつも必死なところだけは上司に認められました(笑) ただ、 同期の子たちが入社してすぐ辞めていくのを 目の当たりにし、私もふと、 このままでいいのか…と思うようになりました。 服が好きで…コーディネートが好き… 資格があってソロで働ける… 色々調べた結果、 スタイリストという職業があることを知りました。 ■着物との出会いその後会社を辞め、 スタイリスト養成学校に通います。 現役のスタイリストさん達が授業を受け持ち 自分の現場を見学させてくれたり アシスタントをさせてくれる学校でしたので、 色々な経験ができました。 中でも、和装スタイリングの現場が とても楽しかったのを覚えています。 先生は年配の方でしたが、 狭い車内やひざの上だけで着物を畳む方法や コーディネートの良し悪し、 空気感を演出する着付けの方法など、 様々なことを教わりました。 まあ、教わるといっても、 言葉で説明してくださるわけではありません。 先生がヘアメイクさん達と話しているのを 盗み聞きしたり、動きを見て感じながらです。 着付け教室に初めて通ったのも、
この頃です。 こんにちは、そろり庵のこばやしです。 だいぶ昔のことですが、 自分の成人式について振り返ってみようと思います。 成人式は、今でいう 「ママふり」を着ました。 母が自身の成人式で着たものですから、 それ以来約30年ほど 箪笥に眠っていたことになります。 第一印象は、 「なんだか箪笥の古いにおいがする」でした。 ただ、柄や色は嫌いではなかったので、 言われるがままに着ました。 帯や帯締め、帯揚げなども 母が着た時と同じコーディネートでした。 そもそも、着物をちゃんと着るのが 初めてだったし、 何が似合うのか、何がおしゃれなのか、 まったくわからない状態でしたね。 そして実は。。。母の振袖に決める前に 母に連れられて呉服屋の振袖も見に行きました。 確かB反市だったような。 何着か合わせたような記憶もありますが あまり覚えておりません。 成人式当日は、 髪形をセットしてもらったり (メイクは自分でやりました。普段のメイクですが) おめかしするのが単純に楽しかったです。 また父や母が嬉しそうな姿を見て、 「そういうものなんだ、良いことなんだ」 と感じました。 今になって思うと、 特に母の喜びはひとしおだったでしょう。 祖父と祖母にそろえてもらった着物を、 娘に着せることができたのですから。 後日、さっそく実家に写真を送っていましたね。 成人式については、
後に振袖専門店に勤めたエピソードも含めて またお話していこうとおもいます。 皆さま、こんにちは。はじめまして。 きょうは私の自己紹介を させていただければと思います。 ■生まれ私は大分県で生まれ、 和歌山、埼玉を経て東京で育ちました。 草花を見たり、 田んぼをじっと眺めているのが好きな 幼少時代だったと記憶しています。 のろまですが、 一つのことに集中すると周りが見えなくなり 気がつくと日が暮れている。。。 絵を描いたり、ピアノの練習をすると そんなことがよくありました。 ■大学時代大学では、考古学を専攻しました。 ここでは、発掘や出土品の実測、 陶磁器の接合など、 細かく地道(地味ともいわれますが)な 作業を行うのがとても楽しかったですね。 色々なきっかけで、 江戸時代の陶磁器の分布や変遷を学び、 器や皿の文様をたくさん見ることができました。 陶磁器の接合は、 本当に根気のいる作業でした。 バラバラな陶磁器のかけらが、 箱にがさーっと入っているのです。 なかには1cm×1cmくらいの 小さな破片もたくさんあったり。 その破片の中から、 合わさるものを探していきます。 時には睡魔と闘い、そしていつも敗れる… 形が合いそうでも、 絵付けの柄が合っていないと、 もちろん同じ器ではありません。 また同じ柄でも、 昔はすべて手描きですので 筆の入り具合が違うと別のものになります。 そんなこんなで、 絵付けの描かれた順番や力具合などを 想像しながら、作業に取り組んでいました。 ちなみにこの頃は、 着物とは全く接点がありませんでした。 浮世絵に描かれる着物を見て、 陶磁器の柄と共通のものがあるな、 という認識くらいで。 次回は、自身の成人式について
書いていこうと思います。 |
店主・こばやしそろりそろりと、着物を直しています。日々のあれやこれやを、綴ります。 月別
3月 2024
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