こんにちは、そろり庵のこばやしです。 今日はしみ抜きの道具の紹介です。 ■馬毛のしみ抜きブラシ このブラシは、しみ抜き講座で 皆さんにお配りするブラシです。 ベンジンを付けて油性の汚れを落とすために 使います。 素材は、馬の毛。 購入先は、上野の 宮川刷毛(はけ)ブラシ製作所です。 毛の材質は色々ありますが、 ご家庭で使うにはこの馬毛がおすすめです。 毛のあたりがソフトで、生地を傷める心配が あまりないからです。 ブラシは、画像のような形で販売されています。 このまま使っても問題はないですが、 皆さんがより使いやすいように 下準備をしていきます。 ■下準備 まずブラシをぬるま湯で洗い、 束ねている部分の中まで乾くように 3日ほど干します。 つぎに、たこ糸の巻きの真ん中にある 結び目を解きます。 上下どちらかのたこ糸の巻きの先端を、 3つほど外します。 バラバラと全部はずさないように注意。 外したら、はじめに解いた結び目部分の たこ糸を引っ張ってみてください。 2本あるたこ糸のうち、 どちらか1本がするっと引っ張れるはず。 さきほど外して余っていた、 先端のたこ糸が引っ張られていきます。 そのあと、結び目の2本のたこ糸を持って ぎゅっと引っ張ってください。 引っ張ることで、 巻いている部分がキュッと固く締められます。 ブラシがぐにゃぐにゃ曲がらないか確認をし、 結び目の部分を元のように結び直します。 結ぶと、片一方が長くなっているので、 余分な部分をはさみで切ります。 これで完成です。 ブラシの片側だけたこ糸の巻きをはずし、 黒い毛の部分を長くしたことで 擦る際に余計な力が入らないようになりました。 ブラシは、巻きを外したほうを 生地に当てて使ってください。 また、長年使って馬毛が磨り減ったり
短くなった場合は、 同じようにまた巻きをはずして 毛の長さを出して使ってください。
0 コメント
こんにちは、そろり庵のこばやしです。 お客様から掲載許可をいただいた作業を、 ちょっとご紹介します。 ■小紋の柄の色をかえる お母様があつらえてくださった小紋。 お若いころは、よくお召しになっていたそうです。 時間がたち、ご年齢のことや色の好みもかわって 今は着る機会、といいますか モチベーションが少し下がっているご様子でした。 お話を伺ってみて、全体にある菊柄の、 シャーベットカラーの組み合わせが 一番の原因になっていることがわかりました。 ■好みの色を探す 色調が同じで、明るいのを暗くしてほしい、 地味に見せたいというオーダーは 作業としてはそんなに難しくはないのですが、 今回は色味じたいをガラッと変えることに。 菊の柄は全体で5色の配色から構成されています。 一番面積が大きいのは、菊のまあるい部分。 面積が広い部分は、着る側も着姿を見る側も、 一番目に入りやすいところです。 印象も左右されやすいですよね。 そのため、このまあるい部分には お客様の一番好きな色味をもってくることにしました。 色の本を見ながら、好みの配色を一緒に探していきます。 葉っぱのミントグリーンの部分は、 抹茶に近い色にくすませることに。 ただ、ベタで変えてしまうと のっぺりした印象になってしまうので、 ボカして元のグリーンを残すことを ご提案させていただきました。 ■色の濃淡について 柄の色替えは、染料で染めるのではなく、 細かい粒子の顔料をつかって 上から色を塗っていく方法を用いています。 そのため、 元の色が薄い→濃い色 に変えるのは可能ですが 元の色が濃い→薄い色に変える のはちょっとムズカシイのです。 (厳密に言うと、できなくはないけれど もう一手間かかります… ファンデーションを塗る前に、 コンシーラーやカラーコントロールを塗って 下地を整える手間が増える感じです。) 色の濃度についてもお話し、ご了承いただきました。 下前の一部でテストをし、ご報告。 少しわかりづらいですが、黄色の菊も くすませています。 イメージどおりの色になって、 かといって地味すぎなくて素敵だわ! これで進めてちょうだい!との感想を頂きました。 全体に柄があるので、 ちょっと時間はかかりますが また仕上がったらご紹介させていただきますね。 ■染め替えなくても雰囲気は変えられる 若いころは気に入っていたのだけれど
肌の色と合わなくなった、 色が派手に思えてきた、色の好みが変わった… というお悩みはよく耳にします。 かといって、全部解いて染め替えするには 金額的に抵抗がある方も多いとおもいます。 そんな時は、 部分的に雰囲気を変えることが可能です。 当店で使用している顔料は、 水にもドライクリーニングなどの溶剤にも 強い顔料ですので、落ちてしまう心配もございません。 だからこそ、 作業するときは一発勝負なので緊張しますが。笑 ただし、染めているわけではないので、 上からの摩擦には少し弱いです。 生地によって向き不向きがございます。 まずはご相談ください。 黒留の色替えはこちら |
店主・こばやしそろりそろりと、着物を直しています。日々のあれやこれやを、綴ります。 月別
3月 2024
カテゴリ
すべて
|
contents
|
about |
そろり庵 |