除湿の方法については→こちら カビについては→こちら 前回は、空気を流す除湿の方法をご紹介しました。 でも、着物を広げられるスペースも時間もない! という場合は、 除湿剤を効果的に使っていくのが良いでしょう。 今回は、除湿剤の種類について ご紹介していきます。 ■除湿剤の種類 薬局やスーパーなどで見かける除湿剤。 大きく分けて3つの種類があります。 ●水がたまるタイプ ドライペット、水とりぞうさんなどの商品名で 販売されているタイプ。 湿気を吸うと、液体が容器の中に溜まるしくみです。 また3つの中で、一番リーズナブル。 桐タンスの中に置く場合は、最下段の あいているスペースに置きましょう。 溜まった水は、絶対に着物にこぼさないように! この水は、塩化カルシウムという成分なのですが、 これが着物に付着した場合、なかなか除去できません。 こぼれてから時間が経ってしまうと、 直らない場合もあります。 水が溜まっていたら、 吸湿効果は完全になくなっています。 もはや除湿剤ではなく、単なる危険な置物(笑) 面倒でもこまめにチェックし、 早めに新しいものと交換しましょう! ●ゼリー状になるタイプ 引き出し、衣装ケース用として 販売されているものが多いこちらのタイプ。 最初は白い粉末状のものが、 吸湿するとゼリー状になります。 使用期間は環境にもよりますが、長くて6ヶ月ほど。 こちらもずうっと放っておくと、 袋が破れて中のゼリーが衣類に付着する危険があります。 2,3ヶ月のペースで状態をチェックし、 全体がゼリー状になっていたら取り替えましょう。 ●吸湿しても変わらないタイプ シリカゲルのタイプのもので、 食品から敷布団、押入れなどの除湿まで 幅広く使われています。 吸湿しても多少色が黄色くなる程度で、 形状はほとんど変わりません。 上の画像で、この再生シグナルがピンクに なっていると、吸湿力が低下しているサイン。 効果が薄れてきたら、半日ほど天日に干すと また繰り返し使えます。 私は、敷布団用の大判サイズをニトリで購入し、 3枚に切って引き出しに一段ずつ入れています。 天日に干すのを繰り返し、1年間くらい経ったら 交換しています。 液状ではないので、着物に付着する心配もナシ。 着物の上に、直接敷いても大丈夫! 除湿剤の中では、シリカゲルのタイプが おすすめです。 ■まとめ
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■虫干し 虫干しは、昔から衣類、書籍などに対して 行われている方法ですね。 お天気が何日か続いたあとの乾燥した日を えらんで、タンスやたとう紙から 着物を取り出して陰干しし、風を通します。 風を通すことで、着物にこもった湿気を 空気中に逃がしてあげます。 着物ハンガーでなくてもかまいません。 室外ではなく、室内の日が当たらない場所に 干してください。 虫干しのタイミングなのですが、以前は年に2回、 6~7月の梅雨明けの天気の良い日と 秋~冬の乾燥している時期に行うのが 望ましいと言われてきましたが、 最近の高気温・高湿度を考えると、夏前の虫干しは やらない方が良いかもしれません。 私は毎年、GWあたりと10月末あたりに 洋服の衣替えや布団の入れ替えを行うのですが、 その時に着物の虫干しも行っています。 虫干しは窓を開けて風を流すため、 一日中在宅の日を選ばないとならないのが ちょっと難点かも。。。 ~まとめ~ ●着物の枚数が多い人におすすめ ●室内に、着物を多く掛けるスペースが必要 ●好天で乾燥している日を待たなければならない ■エアコンのドライ エアコンのドライ機能を使って、 着物の湿気を取り除く方法です。 虫干しと同じ要領で着物を室内につるし、 エアコンのスイッチを入れるだけ。 お天気を選ばず、またタイマーなどを使い 留守中でも除湿が可能です。 扇風機を併用して着物に風を送ってあげると、 さらに時短で効果的に除湿ができます。 ~まとめ~ ●天気を選ばず、いつでもできる ●光熱費がかかる ■除湿機 私が色々試したなかで、最も効果的で おすすめしたいのが除湿機。 除湿だけでなく衣類乾燥モードや、 空気清浄機能なども付いており、 着物以外にもいろいろな用途で使えます。 着物を室内につるし、除湿機からでる風を 着物に向けます。 スイング機能を使って、着物にまんべんなく 風を通すとより効果的。 私は室内に着物を干すスペースが少ないので、 着物4~5枚ずつ除湿機に20分ほど当てるのを 繰り返しています。 枚数にもよりますが、 帯も含めて2~3時間ほどで作業が終わります。 試しに3時間、除湿機をかけてみると。。。 これだけ湿度が下がりました。 梅雨~真夏は、クローゼット付近で 除湿機をかけていますが、 一晩で2ℓほどの水が溜まることも! やはり除湿に特化しているだけあり、効果は凄い! ~まとめ~ ●天気を選ばず、いつでも除湿が効果的にできる ●除湿スピードが速い ●溜まった水を捨てるのがやや面倒かも ■ドライヤーの冷風 数枚だけ、簡単に湿気対策したい場合は ドライヤー。 着物をつるし、ドライヤーの冷風を 全体に当てます。 外側だけでなく、内側から風を当て、
また袖の振りからも風を入れると効果的。 ここで肝心なのは、「冷風」を当てること。 虫干しが自然に風を通すのに対し、 ドライヤーは人工的に風を流してあげます。 ~まとめ~ ●数枚を時短で簡単に除湿したいときに ●室内が乾燥している時に行う こんにちは、そろり庵のこばやしです。 ジメジメ…ベタベタ… いよいよ、梅雨の季節がやってきました。 この時期は、着物の天敵… そう! カビが発生しやすくなる時期でもありますね。 皆さま、保管中の着物はどのようにされていますか? これから何回かに分けて、カビや保管時に気をつけたいことをお話していこうと思います。 ■カビ発生の条件 文部科学省が公開している【カビ対策マニュアル】によると、 カビの胞子は常時空気中に飛んでおり、下記4つの条件が そろうと発育し、どんどん繁殖していきます。 1.温度 25℃以上になると、とても繁殖しやすくなります。 2.湿度 空気中の水分(=湿気)を利用して発育し、 湿度60%以上の環境だと繁殖しやすくなります。 3.酸素 カビの繁殖には酸素が不可欠です。 4.栄養分 ほとんどあらゆるものを栄養源として発育します… また一度カビが発生してしまったら、80℃の温度で 30分ほど加熱しなければカビ菌は完全死滅しません。 つ、強い!(笑) ■着物にカビが生えるとどうなるか そろり庵でご相談いただくなかで一番多いのは、 保管中に着物に生じたカビの除去です。 では、着物にカビが生えるとどうなるのか? 付着してすぐの段階では、カビは生地の上に白く ホワっと乗っかっているような状態です。 これを放っておくと、今度はカビ菌が生地の中に どんどん侵食し、根を張って硬くなっていきます。 そして生地を変色させたり、繊維の組織を破壊して 生地に穴が空くことも! 着物や帯が何となくカビ臭かったり、黄色い斑点のシミが ぽつぽつ出ていたら、カビは確実に生えています。 ほかの着物に移らないように隔離し、 早めにお手入れするのをお勧めします。 ■ご家庭でできるカビ対策
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店主・こばやしそろりそろりと、着物を直しています。日々のあれやこれやを、綴ります。 月別
3月 2024
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