こんにちは、そろり庵のこばやしです。 先日、袋帯の修復をしましたのでちょっとご紹介を。 ■帯生地の裂け・擦り切れ お預かりしたのは、箔が入っている袋帯。 とても気に入っていらして、出番も多くあったそうです。 そのため、折れ目の部分や、角が10ヶ所ほど裂けたり擦り切れていました。 特に前柄の部分は10cm以上裂け目が入っており、何とかできないものかと。 また、帯が少し短いようで・・・ もう少し長さがあれば楽に締められるのに、とのご相談をうけました。 西陣の帯仕立て職人と相談をし、 裂けている部分は切り、使える部分を継いで仕立てる話に。 ただ、そうすると帯の長さが足りなくなってしまいます。 そこで、今付いている裏生地を表の見えない部分に足して、 裏生地は新しい生地に交換することにしました。 ■帯の継ぎ仕立て まず、帯地を解いて、 表と裏生地、それと中に入っている芯の3つのパーツに分けます。 中の帯芯は、カビによる茶色い変色がみられました。 芯は交換するので、表地と裏地だけ専用の溶剤で洗い、汚れを落とします。 (帯は水を使って洗えないため、有機溶剤をつかいます。) それからお仕立てへ。 新しい裏地は、できるだけ元の色に近い色で染めました。 そして帯の強度を上げるために、生地に裏張りをして少し厚みをもたせます。 継ぎ目も目立たず、長さもご希望どおりになって帯が蘇りました!
生地さえ丈夫だったら、再生の方法は考えられる。 今回は、私も大変勉強になりました。
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店主・こばやしそろりそろりと、着物を直しています。日々のあれやこれやを、綴ります。 月別
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